ガバナンスへの取り組み
コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、株主から付託を受けた経営者の責務と、空港での事業を基盤とする企業として社会的な責務を十分に自覚し、その中で、当社グループの企業理念に照らし、かつ当社グループの企業価値及び株主共同の利益を確保・向上するために、コーポレート・ガバナンスの整備及び運用に努めることです。
コーポレート・ガバナンス報告書
コーポレート・ガバナンス体制
コーポレートガバナンス体制図
取締役会
取締役会は、法令等に定める事項、取締役会規程に定める事項や、その他重要事項等について判断し意思決定を行っており、経営全般に対する監督機能を担っています。原則毎月開催することとしており、2023年度は14回開催しました。取締役会の取締役8名(うち社外取締役3名)と監査役4名(うち社外監査役2名)が参加しています。
なお、女性取締役は1名(取締役のうち女性の比率12.5%)です。
役員及び監査役一覧はこちらをご覧ください。
監査役会
監査役会は、監査方針の決定、監査報告の作成等を行うため、原則毎月開催することとしており、2023年度は13回開催しました。議長は、常勤監査役の古宮正章が務めています。
監査役会の構成 (委員4名、うち独立社外監査役2名) |
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構成員 |
古宮正章 (常勤) 濱 隆裕 (常勤) 上野佐和子(独立社外監査役) 鈴木啓公 (独立社外監査役) |
指名委員会
取締役候補者及び監査役候補者の指名にあたり、候補者の協議、選定を行う取締役会の独立性・客観性と説明責任の強化を図るために取締役会の諮問機関として指名委員会を設置し、少なくとも年1回開催することとしています。なお、同委員会は、社外取締役(3名)、社外監査役(2名)にて構成されています。
指名委員会の構成 (委員6名、うち社外取締役3名、 社外監査役2名) |
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構成員 |
杉山武彦 (社外取締役) 青山佳世 (社外取締役) 三木 泰雄 (社外取締役) 上野佐和子(社外監査役) 鈴木啓公 (社外監査役) 田村滋朗 (代表取締役社長執行役員) |
報酬委員会
取締役報酬の決定に当たって、報酬の客観性・透明性及び妥当性を確保するために取締役会の諮問機関として報酬委員会を設置し、少なくとも年1回開催することとしています。なお、同委員会は、社外取締役(3名)、社外監査役(2名)にて構成されています。
報酬委員会の構成 (委員6名、うち社外取締役3名、 社外監査役2名) |
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構成員 |
杉山武彦 (社外取締役) 青山佳世 (社外取締役) 三木 泰雄 (社外取締役) 上野佐和子(社外監査役) 鈴木啓公 (社外監査役) 田村滋朗 (代表取締役社長執行役員) |
取締役会等の責務
社外役員の独立性
東京証券取引所が定める独立性基準に加え、独立した立場から経営に対して助言・提言をおこない会社の持続的成長と中長期的な企業価値向上に寄与して頂ける等の基準を満たす候補者を、独立社外取締役として選定しています。
社外取締役・社外監査役の選任
取締役 | 杉山 武彦 | 大学教授として教鞭をとられるとともに、国立大学の学長として大学経営を担われた方であり、また、運輸交通分野での豊富な知識、経験を有しており、社外から独立した立場にて当社の的確な業務執行に貢献していただくことにより、当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上に寄与していただくため、社外取締役として選任しております。 |
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青山 佳世 | フリーアナウンサーとして活動しており、また、運輸交通分野を始め政府の各種委員を歴任されていることから、豊富な知識、経験を有しており、社外から独立した立場にて当社の的確な業務執行に貢献していただくことにより、当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上に寄与していただくため、社外取締役として選任しております。 | |
三木 泰雄 | 情報通信業界における経営者としての豊富な経験と高い知見を有しており、社外から独立した立場にて当社の的確な業務執行に貢献いただくことにより、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与していただくため、社外取締役として選任しております。 | |
監査役 | 上野 佐和子 | 公認会計士としての専門的な見識に基づき客観的な立場から監査を行うことができ、高度な会計面のアドバイスを監査役会及び取締役会にていただくことを期待して、社外監査役として選任しております。 |
鈴木 啓公 | 税理士及び公認会計士としての専門的な見識に基づき客観的な立場から監査を行うことができ、高度な会計面のアドバイスを監査役会及び取締役会にていただくことを期待して、社外監査役として選任しております。 |
取締役会の実効性評価
当社では、取締役会の機能を向上させ、ひいては企業価値を高めることを目的として、取締役会の実効性につき、自己評価・分析を実施しております。
2023年度は、2024年1月~2月にかけてすべての取締役・監査役を対象にアンケートを実施し、集計を行った上で、2024年2月開催の取締役会において、分析・評価を行いました。
アンケート結果からは、取締役会の構成、運営を中心に概ね肯定的な評価が得られましたが、過去に発生した役員選任に関するガバナンス上の問題については、既に役員指名方針を改訂するなど再発防止に取り組んでいるものの、今後のフォローアップが重要であるとの意見があり、今後も取締役会の実効性を高める取り組みを継続的に進めてまいります。
役員報酬について
取締役の報酬等の決定方針は以下のとおりです。
1.報酬等の体系
(1)当社の取締役の報酬等は、株主総会で決議された限度額の範囲内で決定します。
社外取締役を除く取締役(常勤取締役)の報酬等は、固定報酬である基本報酬及び業績に連動した報酬(賞与及び譲渡制限付株式報酬)で構成され、報酬等の全体額に対する割合は、概ね固定報酬は7割程度、業績連動報酬は3割程度とします。
社外取締役の報酬は、株主総会で決議された報酬の範囲内で、固定報酬である基本報酬とします。
(2)常勤取締役の基本報酬は、執行役員の役付き並びに代表権及び取締役の位置づけ等を踏まえた一定のルールに基づき算定します。業績連動報酬は、主に売上・当期純利益等の会社業績を業績予想(予算)に照らして総合的に勘案し、執行役員の役付き並びに代表権及び取締役の位置づけ等を踏まえて算定します。業績連動報酬のうち非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬は、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として支給するものです。
非常勤である社外取締役の基本報酬は、各取締役の指名委員会及び報酬委員会での役位等を踏まえた一定のルールに基づき算定します。
2. 報酬等の額の決定手続き
各報酬等の算定方針に基づき、取締役会は報酬案を審議し、諮問機関である報酬委員会へ諮問します。報酬委員会での審議・答申を受けて、株主総会後に開催される取締役会において報酬案を再度審議し、各取締役の報酬額決定の決議により、総会後以降の各取締役の年間の報酬等の額を決定し各報酬を支給しています。
なお、報酬委員会は、報酬の客観性、透明性及び妥当性を確保するために独立社外取締役、独立社外監査役、社内取締役で構成し、委員長は独立社外取締役が務め、少なくとも年1回以上開催しています。
(単位:百万円)
区分 | 報酬等の総額 | 報酬等の種類別の総額 | 対象となる役員の員数 | ||
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基本報酬 | 業績連動報酬等 | ||||
金銭報酬 | 非金銭報酬等 | ||||
取締役 (うち社外取締役) |
152 (15) |
101 (15) |
24 | 26 | 13名 (3名) |
監査役 (うち社外取締役) |
50 (10) |
50 (10) |
─ | ─ | 7名 (4名) |
合計 | 202 | 151 | 24 | 26 | 20名 |
(注)
上記には、当事業年度中に退任した取締役5名と監査役3名を含んでおります。
内部統制
内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
当社グループは、株主から付託を受けた経営者の責務と、空港での事業を基盤とする企業として社会的な責務を十分自覚しています。その中で、当社グループの企業理念に照らし、かつ当社グループの企業価値及び株主共同の利益を確保・向上するために、以下のとおり、内部統制システム基本方針を取締役会で決議し、内部統制システムの整備、運用に努めています。
【内部統制システム基本方針】
Ⅰ 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
①当社及び当社グループの取締役及び使用人の職務の執行が法令、定款及び社内規則等に適合することを確保するために、代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を設置する。この委員会は、当社及び当社グループのコンプライアンスに関する重要事項を審議する。
②当社グループは、役職員が大切にすべき行動の基本方針として行動指針を定め、市民社会の一員として高い倫理観に基づいて行動することとし、また研修等を通じて役職員に遵法意識の浸透を図る。
③当社は、社長直轄の監査室を設置し、内部監査を行う。
④当社及び当社グループにおける、組織的または個人的な法令違反行為に関する相談または通報の適切な処理の仕組みを定め、不正行為等の早期発見と是正を図ることを目的に公益通報者保護規程を整備し、ヘルプラインを設置する。
Ⅱ 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
①取締役の職務執行に係る情報については、文書管理規程に基づき、その媒体に応じて適切に保存、管理する。
②取締役は、必要に応じていつでもこれらの文書等を閲覧することができる。
Ⅲ 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
①当社及び当社グループの損失の危険を管理するために、代表取締役を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置する。
②リスクマネジメント委員会は、リスク毎に責任部署を定め、リスク管理体制を明確化した上で、進捗状況をレビューし、当社及び当社グループのリスクを統括的に管理する。
③当社及び当社グループの取締役は、それぞれ担当職務のリスクを把握し、そのリスクに係る責任者とする。
Ⅳ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
①当社及び当社のグループ会社は、取締役会を定例開催し、必要に応じて適宜臨時に開催する。
②当社及び当社のグループ会社は、取締役の担当職務を明確にし、かつその職務執行が効率的に行われることを確保するために、組織規程及び業務分掌規程を定め、その責任と権限を職務権限規程及び稟議規程で定める。
③当社は、経営に関する機能分担を明確にして、権限委譲による意思決定と業務執行の迅速化を図るため、執行役員制度を導入している。また、業務を執行する取締役は執行役員を兼務する。各執行役員は、取締役会が決定した経営方針に従い、社長の指揮・監督の下で、業務執行にあたる。
④当社は、経営会議や拡大経営会議を開催し、担当取締役等が業務執行状況などの報告を行う。
⑤当社は、経営戦略会議を開催し、中長期経営計画の審議と、経営課題の共通認識・新たな計画策定に向けた議論を行う。
⑥当社は、サステナビリティ推進会議を開催し、サステナビリティの中長期的に取り組むテーマや方向性に関する事項等の審議を行う。
⑦ 当社は、工事等審査委員会を開催し、工事等必要な判断事項について審査を行う。
Ⅴ 株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
①当社のグループ会社に対して、当社の内部統制システム基本方針の趣旨を踏まえて、それぞれ体制を整備するよう指導する。
②当社グループにおける業務の適正を確保するために、関係会社管理規程に基づき当社のグループ会社の状況を把握し、必要に応じて助言及び指導する。
③当社は、監査室に当社のグループ会社の内部監査を実施させ、当社グループにおける業務の適正を確保する。
Ⅵ 監査役の職務を補助すべき使用人に関する体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
①監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合、監査役との適正な意思疎通に基づき、補助使用人を置く。
②補助使用人の人事発令を行う場合、事前に監査役へ説明し、同意を得る。
③補助使用人の指揮命令権は、監査役が有し、業務執行を兼務しない。
Ⅶ 取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制及び監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
①すべての監査役は、取締役会に出席することを通じて、報告を受けることができる。
②監査室は、監査役に定期的に報告を行い、連携を図る。
③常勤監査役は、リスクマネジメント委員会やコンプライアンス委員会に出席すること等を通じて、報告を受けることができ、また、その内容については公益通報者保護規程により保護される。
④取締役及び使用人は、監査役の要請に応じ並びに監査を実効的に行うことを確保するために、報告及び協力する。
Ⅷ 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払いまたは償還の手続きその他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針
①当社は通常の監査によって生ずる費用を請求した場合は、速やかに処理をする。
②監査役は、必要に応じ外部専門家に相談することができ、その費用は、当社が負担する。
反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
当社グループは、企業理念及び内部統制システム基本方針に基づき、反社会的勢力に対しては毅然とした姿勢で臨み、一切の関係を遮断しております。
反社会的勢力からの不当要求などがなされた場合は、コンプライアンス委員会を中心に、弁護士や警察などとの緊密な連携を図り、グループ全体として反社会的勢力の関係を遮断いたします。また、企業理念及び内部統制システム基本方針を役職員へ周知し、日常の業務活動及び監査活動を通じて、反社会的勢力排除を含めた内部統制の適切な運用に努めております。
財務報告に係る内部統制
財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法に関する内部統制報告書に対応するために、内部監査を担当する社長直轄の監査室が、業務の適正を確保するため、幅広い視点から監査し、評価しています。当社グループは、財務報告等のディスクロージャーの信頼性を確保することは企業として大切なことであると自覚しており、引続き当社グループの有効な内部統制の整備、運用及び改善に努めています。
内部統制報告書
コンプライアンス
コンプライアンスの基本的な考え方
当社グループは、すべての代表取締役、常勤監査役などで構成するコンプライアンス委員会を組織しています。コンプライアンス委員会は、役職員の職務執行が法令、定款及び社内規則等に適合することを確保するために必要とする重要事項について検討し、グループ全体で、業務の適正化の維持・向上、コンプライアンス違反の未然防止及びその他リーガルリスクの回避・低減などに努めています。同委員会は、年2回開催しており、委員長は代表取締役社長執行役員の田村 滋朗が務めています。
内部通報制度
当社は、役職員等からの法令違反行為に関する相談又は通報を受け付けるため、内部通報制度を設けています。通報を受ける窓口としては、総務部総務課及び監査役を窓口とする社内窓口のほか、外部の弁護士事務所を窓口とする社外窓口を設けており、通報を受けた場合、必要に応じて調査を行い、不正行為が明らかになった場合には、是正措置を行います。
リスクマネジメント
リスクマネジメントポリシー
当社グループは、空港に必要な施設と機能を建設、運営管理していることから、安全な空港運営及び航空会社の運航をサポートする責任を担っています。そのことから、当社グループの事業リスクの発生により、空港の運営及び運航に支障をきたさないために、グループで統合的なリスク管理体制の整備、向上に努めており、取締役及び部門長並びに子会社で構成するリスクマネジメント委員会を設置し、リスクの把握と適切な管理体制の運用、改善に努めています。同委員会は、年2回開催しており、委員長は代表取締役社長執行役員の田村 滋朗が務めています。
子会社の業務を適正に確保するための
体制整備の状況
当社は、当社のグループ会社に対して、当社の内部統制システム基本方針の趣旨を踏まえて、それぞれ体制を整備するよう指導している他、当社グループにおける業務の適正を確保するために、関係会社管理規程に基づき、当社グループ会社の状況を把握し、必要に応じて助言及び指導を行っています。また、当社は、監査室に当社のグループ会社の内部監査を実施させ、当社グループにおける業務の適正を確保しています。
リスク情報の詳細はこちらをご覧ください。
株主の権利・平等性の確保
政策保有株式方針
当社は、投資以外の目的で政策保有株式として保有する上場株式については、個別に、業務提携、取引の維持、取引強化等、事業活動上の必要性を勘案し、保有する株式数を含め定量的かつ定性的な観点から合理性があると判断した場合に限り、保有することを方針としています。
政策保有株式の保有状況については、年に1回以上取締役会で報告し、保有方針に照らして保有意義が消失したと認められる銘柄については、縮減に向けて売却を検討することとしています。
なお、2024年1月開催の取締役会において、政策保有株式の保有状況を定量的かつ定性的に検証して保有の合理性について確認しています。